くいしばりを治すために 1 はじめに
生きる上で必要なくいしばり
みなさんは普段くいしばってますか?
パソコンで作業している時、映画を見て息を呑むシーンの時、悩み事を考えている時、運動する時、眠っている時
くいしばったり歯ぎしりをしていない人は世の中にはいないんじゃないかと私は思います
診察をしていると、時にはくいしばり自体が悩みになってしまっている方もいらっしゃいます
くいしばりったり歯ぎしりをすることってそんなに悪いことでしょうか?
くいしばる理由を考えましょう
大切なことは「必要だから食いしばってる」ということです
くいしばると起きていること
くいしばると奥歯に強い刺激が行きます
最初に生えてくる大人の歯、6歳臼歯、専門的に言うと第一大臼歯に噛む力が加わると脳内では信じられないほど幸福感を感じるβエンドルフィンが分泌されることがわかっています
これは麻薬よりも強い作用があると言われています
麻薬をやるより強い効果が出ることを私たちは無意識にやっているということです
今日一日疲れたなぁ、あの仕事どうしよう、明日は大事なテストがある、好きな子が振り向いてくれない。。。
zzZ…..ギリギリ、ギュー
って噛んで、脳は感情やストレスを幸せホルモンを出して整理しようとしているわけです
くいしばれなかったら大変です
くいしばれないと朝起きたら不安や疲れを感じているかもしれません
つまり自分を守るために食いしばってるだけなんです
呼吸をしたり、瞬きをしたり、唾を飲み込んだりと同じで、感情の整理や体のストレスを解消するために神様が人間に与えた自然な機能です
くいしばってて別にいいんです
むしろ、くいしばれるからいいのだと感じます
くいしばりが不自然に増えている
現代の環境は多くのくいしばる要因を作ってしまいました
それらはどれも元々なかった、人間が進化してきた過程で、そして身体が作られてきた過程で存在しなかった問題だったのだと思います
数百万年を経て自然に進化してきた過程がここ2000年で劇的に変化し、さらにここ100年でとんでもないことになってしまった問題がくいしばりを増やす原因です
それらの増えてしまったくいしばりから、自然なくいしばりになるための取り組みを行えば歯に限らず、病気も激減するでしょう
キーワードは「自然」になることだと思います
感情に影響するもの
そもそも人間をはじめとする生物たちは脳で考え始めたのは遅めで、原始的な生物は内臓感覚で感情をコントロールされていました
「腑に落ちた」「肝が据わってる」「はらわたが煮えくり返る」といった言葉ありますが、内臓に感情が関与している言葉ですね
こちらの記事にもう少し噛み砕いて書いてます→https://tanpopo-dent.org/blog/1136
感情がうまくコントロールできてない時に顕著にくいしばりが出ることは、ご経験がある方が多いのではないかと思います
仕事の悩み、恋の悩み、家庭の悩みなど、これらで出るくいしばりは自然なくいしばり
しかし、内臓の不調から精神の不調をきたし、それがストレスになりくいしばりになっている場合があります
(大人はほとんどの人がそうかも)
このことから身体を整える、内臓を整えることはくいしばりを減らしてくれます
内臓のストレス
人間や動物は本来飢餓と戦いながら生活しているのが自然で、毎日常にお腹は満たされるものではなかったはずなのですが
食で満たされることが当たり前になり、いかに食べやすく加工し、価格を安く提供できるかということが競争され、その副産物として身体に不自然なものを大量に取り込むことが文化になっているということが問題なわけです
進化の過程で満たされることを前提に身体は作られていないために様々な異常が身体に起こり
結果、ここ50年で日本では糖尿病患者は50倍になり、癌患者もどんどん増え世界の死因の堂々No. 1になっています
その原因が食の文化の変化だということです
食の変化が病気となって身体に現れている、身体が病気になるくらい日常的に内臓に負荷をかけ続けている
脳はなんとかしようとくいしばる
くいしばっている時に歯医者がやり出したこと
くいしばりに対しては一般的な歯医者に行くと、マウスピースを作ることを勧められます
保険が適応になりますし、そこまで高額な負担をしなくとも、くいしばりいや歯ぎしりから歯を守る装置を作ることはできます
さて、本当にそれでいいでしょうか
マウスピースをしてもくいしばりを増やしている原因は無くなりません
使い方を間違えればさらに悪化します
私はマウスピースは汚れた床を拭くための雑巾のイメージです
汚れた水を出している蛇口を閉めないと
目標はマウスピースを卒業すること
子どもたちへはマウスピースが将来必要ないよう手助けをすること
今回はこの辺で終わり
たんぽぽ歯科クリニック
院長 山田
治療ブログ